
2020年 Vol.9
◆アマゾン社が米国政府などと連携し更なる模倣品対策へ
アマゾン社は、米国の知財保護対策タスクフォース及び知的財産権調整センター(IPRセンター)と共同で、偽造品の米国への侵入を防ぎ、米国の消費者を保護するための事業として「Operation Fulfilled Action」を立ち上げることを発表した。米国税関国境警備局(CBP)と米DHLもこの事業を支援するという。
アマゾン社はこれまでも同社のサービス上で販売される偽ブランド品を機械学習で検出する「Project Zero」や偽造品犯罪対策チーム等による対策に取り組んできたが、「Operation Fulfilled Action」ではさらに踏み込んで、「悪意ある人物がどこのプラットフォームで偽造品を販売しようとしているかに関係なく、偽造品を国境で食い止められる」としている。
そのために、アマゾンはIPRセンターにこれまで検出した偽造者に関するデータを提供する。
◆ 地域ブランドエコシステム形成を支援 近畿経済産業局
近畿経済産業局は、「関西の地域ブランドの中には、国内外で一定程度の知名度があり、市場開拓や旅行者による消費の獲得を果たすものがある一方で、その実現にはもう少し課題があり、大阪・関西万博を視野に入れつつ、解決に向けた取組が進められている事例も見られます。」と説明したうえで、「2025年に、国内外のマーケットを獲得するために、あと一押しが必要と考える関西の地域ブランドの中から、このたび、10のモデルを支援対象として、コロナ禍でのブランド化の手法の確立も視野に入れながら、関係機関とも連携し、施策の集中的かつ一体的支援を始める。」としている。
1.鯖江のめがね(福井県)、2.信楽焼(滋賀県)、3.和束茶(京都府)、4.泉州タオル(大阪府)、5.三木の酒米等(兵庫県)、6.丹波篠山の黒大豆等(兵庫県)、7.淡路島の食と香り(兵庫県)、8.奈良酒(奈良県)、9.広陵くつした(奈良県)、10.和歌山ニット(和歌山県)
2020年 Vol.8
◆三菱造船が内海造船を特許権侵害で提訴
三菱造船株式会社は、内海造船株式会社(広島県)に対して、船舶の損傷時復原性に関する特許権に基づく損害賠償請求の訴訟を提起したことを明らかにした。
三菱造船は、「当社が保有する特許権の内海造船による侵害について、交渉による解決を試みて参りましたが、納得できる回答が得られなかったため、止むを得ず同社を提訴致しました。当社は、知的財産の適切な保護や積極的な活用に努めるとともに、他社の有効な知的財産権を尊重することを基本的な姿勢としています。」と説明している。
◆ 「Supreme」の偽物販売で岩手県盛岡市の職員逮捕
人気ブランドの偽物をフリーマーケットアプリで販売したとして、岩手県盛岡市の市職員が商標法違反の疑いで逮捕された。この市職員は去年4月上旬ごろ、フリマアプリにアメリカのファッションブランド「Supreme」のヘアバンドを偽物と知りながら出品・販売した疑いが持たれていて、同職員はこれを大筋で認め「これくらいならいいだろうと、自覚が不足していた」と話したという。また、同職員の自宅には複数のブランドの偽造品とみられる帽子やネックウォーマーなど千数百点が保管されていて、警察は中国などから大量に仕入れていたとみて、余罪や製造元などを調べている。
◆ 近畿経済産業局が「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」事務局と連携
近畿経済産業局は、「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の事務局と連携し、企業の枠を超えて知的財産を活用することで、新型コロナウイルスの蔓延防止、withコロナ時代の社会環境改善に取り組むプロジェクトを開始した。
「本プロジェクトでは、以下3点の伴走支援を行います。
1.宣言対象特許の中から活用しやすい技術を選定し、想定活用方法を含めて分かりやすく提案します。
2.中小・ベンチャー企業と宣言企業との面談をサポートし、権利交渉を支援します。
3.ライセンス契約や事業展開に必要な戦略の作成を支援します。」(近畿経済産業局HPより抜粋)
2020年 Vol.7
◆ブラジル タイヤのトレッドパターンのトレードドレス侵害が認められる
ブリヂストンは、ブラジルのニュー・タイヤ社を相手に提起していた商標権とトレードドレスの侵害に基づく訴訟で勝訴したことを発表した。
ブリヂストンは同社の登録商標である「TURANZA」及び「TURANZA ER300」の商標とトレッドパターンを使用してタイヤを生産・販売するニュー・タイヤ社の行為は、商標権侵害及びトレードドレス侵害に該当するとして2015年1月に提訴していた。
ブリヂストンでは「トレッドパターンの不正使用がトレードドレス侵害と認められた点で、ブラジルにおいてリーディングケースとなる画期的な判決」としている。
◆ 偽物「モンブラン」販売した男を商標法違反で逮捕
筆記用具の「モンブラン」の偽物のボールペンを販売したとして、名古屋市の男性が商標法違反の疑いで和歌山県警に逮捕された。
県警によると、この男は2019年の夏、インターネットオークションを通じて和歌山市の60代の男性に、「モンブラン」によく似たロゴ入りのボールペン3本を4万3600円で販売した疑いが持たれている。
購入者から「高級感や重量感がなく模造品かもしれない」という相談が県警にされたことから発覚したが、男性は「本物だと思い販売した」と容疑を否認しているという。
◆ 「コピー商品撲滅キャンペーン」 特許庁
特許庁は、特に20代前半の若者がコピー商品を買わないよう啓発するため、「買わない 売らない 買わせない!」をキャッチコピーとして、夏(前期7月1日〜)と冬(後期12月1日〜)の2回の「コピー商品撲滅キャンペーン」の実施を発表した。
≪キャンペーン特設サイト≫
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/mohohin/campaign/2020/index.html
