柳野国際特許事務所

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商標 Q&A

侵害 関連

Q1.商標登録出願をした場合、出願から登録までの期間は、その商標を使用しても問題ないでしょうか?

A.よくあるご質問なのですが、使用する商標が他人の商標権を侵害(不正競争行為や著作権侵害などで問題が生じることもあります)していないのであれば、登録前に使用をしても特に問題はないと言えます。
 しかし、出願中の商標は特許庁の審査がなされておらず、登録されるか否かが不明な状態なのですから、他人の商標権を侵害していないか否かの判断がつきません。
 そこで、登録前に使用を開始する商標については、商標調査をされることをお勧めします。商標調査を行えば、ごく最近に出願されたもの(1ヶ月位前まで)はデータ範囲外となりますが、それ以外については、同一又は類似の先願、先登録がないかを調査することができるので、出願商標の登録可能性や使用の可否について、おおよその判断をすることが可能です。また、特に慎重を期する案件については、データ範囲外の期間をなくすために、出願後1ヶ月程度経過した時点で、再度商標調査をされることをお勧めしています。


Q2.不使用取消審判の審判請求書の副本が送達されました。不使用取消審判とは、どのような制度ですか?

A.簡潔に申しますと、継続して3年以上商標を使用していなければ、不使用取消審判の請求によって商標権が取り消されることがあるいうことです。
 このような制度は商標独特の制度であって、特許・実用新案・意匠にはありません。一番の理由は、登録後使用していなくても更新は可能であるので、現実には一度も使用されていない商標が永久的に独占権を維持することが可能になっています。 そこで、我が国の商標法は、第三者からの請求によって不使用商標の登録を取り消す不使用取消審判の制度を設け、本当に使用したい者に独占権が得られるよう、このような制度によって調整を図っているのです。尚、取消しを免れるためには、被請求人が使用している事実を立証する必要があります。


Q3.約10年前から「ABC」という商標を「被服」で使用しているのですが、最近○△□株式会社というところが商品「被服」で商標「ABC」を登録したことがわかりました。○△□株式会社に対してクレームを付けることは可能ですか?

A.あらゆる状況証拠を整えなければ判断しかねる事案でありますが、先ず基本的に商標権は○△□株式会社が持っている訳ですから、 貴社はクレームを付けるどころか、逆に商標権の侵害者ということになります。
 しかしながら、貴社の商標が業界内において周知・著名な状態であり、○△□株式会社が貴社の商標を知っていて登録したことが立証できれば、 相手は不正競争行為(営業妨害的行為?)であるとして対抗も可能かもしれません。また、貴社の商標が周知・著名であれば、先使用権があるとして継続して使用されることが認められることもあるかもしれません。 しかし、このように先使用が認められるケースは極稀でありますので、やはりきちんと権利を押さえておくことが賢明です。先に使用している者が優位な立場となるのでしたら、商標登録する意義がなくなってしまいます。日本は「登録主義」であることを十分に認識して下さい。


Q4.「ABC」という商品名で「Tシャツ」を販売しようと思うのですが、同じ商品名で他の業者が「Tシャツ」を販売しているようです。「ABC」という名前で販売して問題ありませんか?

A.先ず第一に、他の業者が「ABC」という商品名について商標登録しているかを調査する必要があります。調査の結果、商標登録されていれば同じ名前を使うと商標権侵害になってしまいます。
 尚、調査した結果、商標登録されていなかった場合ですが、商標権がないからといって安心することもできません。色々な状況から不正競争行為などとして係争となる可能性があります。 ですから、販売地域が接近していたり、相手側も貴社のことを知っていたり、またその商標の有名性なども影響するため、やはり相手方に権利がなくとも慎重にされることをお勧め致します。
 非常に難しい問題ですが、商標法の枠だけで判断されてはいけないことを理解して下さい。 相手が使用しているのに、敢えて使用する必要もないと思います。貴社独自のブランドを採択することが賢明です。


Q5.商品「パソコン」に登録商標「ABC」があるのですが、どうしても同じ「パソコン」に「ABC」をつけたいと思います。どうすればいいですか?

A.商標権侵害となります。登録商標の形は「ABC」であったとしても、読みが同一又は類似するものは権利侵害となりえます。従いまして「エービーシー」のみならず、「A・B・C」や「abc」であっても類似ですので、第三者はこのような商標は使用できません。要するに文字商標の場合は、「読み」が重要な類否ポイントであることを認識して下さい。


Q6.商品「パソコン」に登録商標「ABC」があるのですが、どうしても同じ「パソコン」に「ABC」をつけたいと思います。どうすればいいですか?

A.商標権を有している権利者から使用の許諾を得られれば使用することができます。また権利者から、その商標権を譲り受けることも一案です。

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