意匠登録出願から登録まで【初心者向け】 意匠登録までの流れ(フロー)をわかりやすく整理
意匠は、出願、審査、登録査定を経て、登録料を納付することで意匠権が発生する流れとなっています。また、登録後には、意匠公報が発行され、意匠の内容が一般に公開されます。この一連の流れと手続きごとのポイントについてわかりやすく説明します。
目次
1.デザインを決める
まずは、意匠登録したいデザインを決めるところからスタートします。
- デザインの決定:どんなデザインを登録したいのか、具体的に決めましょう。例:新しい形のカップ、ユニークな模様のランプ など。
2.出願の準備
デザインが決まったら、出願の準備に取りかかります。
- 出願書類の準備:意匠登録出願に必要な書類を作成します。デザインの図面や説明をどう表現するかが重要です。
- 必要書類を集める:図面が最も重要です。図面に代えて、写真・見本・ひな形でも出願できます。デザインを分かりやすく、かつ特徴部分をしっかり表現し、特許庁が定める要件を満たすことがポイントです。
3.出願をする
準備が整ったら、実際に申請(出願)します。
- 出願書類の提出:特許庁に願書と図面等を提出します。オンライン出願も可能です。
4.特許庁の審査
出願が終わったら、審査の結果を待ちます。出願分野にもよりますが、審査結果が届くのは出願からおおよそ4~10か月後です。
- 形式審査:書類が正しく提出されているかの確認。
- 実体審査:デザインが新しいか(新規性)、容易に創作できるものではないか(創作非容易性)などを審査官が確認します。
- 急いでいる場合は早期審査を利用できることがあります。
5.審査結果の受け取り
審査が終わると、結果が届きます。
- 登録査定通知:登録が認められた旨の通知です。
- 拒絶理由通知:登録が認められなかった理由が示されます。反論等を検討します。
6.中間処理
拒絶理由通知や協議指令書、補正指令書等が届いた場合は、反論や補正で対応します。
- 意見書:引用意匠との差異などを説明して反論します。
- 手続補正書:出願内容を一部補正(修正)します。
- 協議結果届出書:協議の結果を届け出ます。
- 審査官との面談(Webも可)で説明することもできます。
7.登録査定
すべての登録要件を満たすと判断された出願には、登録査定が届きます。
- 登録査定:審査官の判断結果であり、この時点ではまだ権利は発生していません。
登録査定の際、審査官が参考にした先行意匠が併せて通知されることもあります。
8.登録と証書の発行
登録査定後、登録料を納付すると権利が発生します。
- 登録料の支払い:登録料の納付により権利が発生します。
- 登録証の発行:登録料納付後、登録証が交付されます。
9.意匠公報への掲載
登録後、特許庁が発行する意匠公報に掲載されます。
- 意匠公報:出願人、創作者、図面、意匠に係る物品の説明、意匠の説明等が掲載されます。
- 秘密意匠:公報掲載のタイミングを遅らせたい場合、最長3年間、図面等を秘密にすることができます。
10.保護期間と更新
登録が完了すると、デザインの保護がスタートします。
- 権利(保護)期間:出願から25年間、そのデザイン(登録意匠およびこれに類似する意匠)について、他人の無断使用を排除できます。
- 維持年金:権利期間中は毎年、権利維持のための年金を支払います。複数年分の一括前納も可能です。
11.意匠登録出願をご検討でしたらご相談ください
意匠登録出願は、特許庁の手続フローを踏まえつつ、事業化・製品化のスケジュールに合わせて進める必要があります。
柳野国際特許事務所では、商品販売スケジュール等のご事情を伺ったうえで、最適なタイミングでの出願・手続きをご提案します。意匠登録出願の際は、お気軽にお問い合わせください。