意匠とは?【初心者向け】 実際に登録されている意匠はどのようなもの?
意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩等の一定の要件を満たしたデザインが対象となりますが、身近なものではどのようなものが登録されているか、具体例とともに説明します。
1.定義と具体例
意匠とは、意匠法において「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合、建築物の形状等又は画像であって視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。」(意匠法第2条)と規定されています。
つまり、見た目(外観)のデザインのことで、具体的には次のものが対象となります。
- 商品の形状(例:スマートフォンの曲線やボタン配置)
- 商品の模様(例:布地のパターンや表面に付されたデザイン)
- 商品の色彩(例:鮮やかな色合いや配色)
- 建築物
- 画像
要するに、物の見た目(外観)が意匠として保護されます。
2.意匠登録のメリット
意匠登録には、主に次のメリットがあります。
- 独占排他権:登録により、同一または類似のデザインの使用を他人にさせないようにできます。
- 市場価値の向上:独自デザインがブランド価値を高め、市場での評価向上につながります。
- ライセンス契約:他社へデザインをライセンスすることで収益化が可能です。
3.どんなデザインが意匠登録できるの?(意匠の登録要件)
意匠登録にはいくつかの条件があります。主な条件は次の2つです。
- 新規性:既存のデザインとは異なる新しいものであること
- 創作非容易性:既存デザインから容易に創作できるものではないこと
4.意匠登録の例
実際の意匠登録の例を挙げて、どの部分が保護対象となるか(形状/模様/色彩/画像など)を確認します。


5.意匠の保護期間とその後
意匠の保護期間は法改正により延長され、現在は出願日から25年間です。
この期間中は、他人が同一または類似のデザインを無断で使用することを防ぐことができます。保護期間が終了すると、そのデザインは基本的に誰もが使用できるようになります。
6.意匠のことならご相談ください
意匠は、デザインを有する多くの物品等が対象となり得ます。こうしたデザインを創作した際には、意匠登録による保護を検討することで、模倣品対策やブランド価値の向上を図れます。
柳野国際特許事務所では、具体的製品の意匠登録可能性の検討から出願に関するアドバイスまで対応可能です。ぜひお気軽にご相談ください。