特許調査の方法|【初心者向け解説】特許調査が成功のカギになる理由
特許出願を成功させるためには、出願する前に、特許調査すなわち先行技術調査が不可欠です。適切な調査によって、新規性や進歩性の有無を把握し、無駄な出願を避けるとともに、出願の戦略(請求項の範囲設定や補正方針)を練ることができます。
このページでは、国内外の主要データベースの使い方、検索精度を上げるための分類コードの活用法、調査結果の分析ポイント、そして専門家に相談するタイミングまで、実務的に使える手順でわかりやすく解説します。
目次
1.特許調査の準備:調査の成功は準備で決まる
特許出願を成功させるためには、事前の特許調査が非常に重要です。調査を始める前には、発明の技術的特徴を明確にし、どのような特許が既に公開・登録されているのかを把握する必要があります。
発明の要点を整理
技術の構成要素、解決する課題、優位性(メリット)を箇条書きにします。
キーワードの洗い出し
専門用語・類義語・和訳・英訳(例:英語の技術用語)を用意。
検索条件の設計
キーワードの組合せ(AND/OR/NOT)、出願人名、出願日範囲などを事前に決めます。
2.国内データベースの活用(J-PlatPat)
(1)J-PlatPatの基本的な使い方
特許庁が提供する無料データベース「J-PlatPat」は、国内特許の検索で最初に使うべきツールです。
手順例:
- サイトにアクセス(J-PlatPat)
- キーワード検索で大まかな絞り込み
- 図面・請求項・要約を確認して類似性を判定
- 出願人や権利状態(存続/失効)をチェック
(2)実務ポイント
- 「請求項(claims)」を必ず確認:保護範囲の核心はここにあります。
- 出願日/公開日をチェックして、自分の発明との時間的優位性を判断。
- 権利消滅(年金未納等)を確認すれば、技術の利用可能性が分かります。
3.特許分類を使いこなす(FI・Fタームなど)
分類コードを使うと、キーワード検索で漏れる関連技術を拾えます。
- FIコード:技術分野ごとの体系化分類(日本向け)。
- Fターム:さらに細かい技術的観点でのタグ付け。
分類を調べてからそのコードで検索すると、精度の高い調査が可能になります。
4.海外の特許データベースもチェック
技術が国際的に重要な場合は、主要国のデータベースも必須です。
代表例:
- WIPO(PATENTSCOPE)
- USPTO(米国特許商標庁)
- EPO(Espacenet:欧州特許庁)
- CNIPA(中国特許庁)
- Google Patents(各国・国際特許を横断検索)
海外調査では用語の翻訳・表現差に注意し、現地語(英語・中国語など)で再検索するとヒット率が上がります。
5.専門家への相談
特許調査を進める中で自分だけでは判断が難しい場合や、より正確な情報が必要な場合には、専門家に相談することが有効です。特許事務所に依頼すれば、弁理士がプロの視点から詳細な調査を行い、リスクを最小限に抑えるためのアドバイスを提供してくれます。
6.調査結果の分析と対策
調査結果を基に、自分の発明が既存技術とどの程度異なるかを分析します。類似する特許が存在する場合、その違いを詳細に検討し、独自性を確認します。必要に応じて発明の一部を修正し、特許性を高めることも重要です。
7.まとめ
特許調査は、出願の成功と事業リスクの低減に直結する重要な作業です。J-PlatPatや分類コードを活用し、海外データベースや専門家の知見を組み合わせて慎重に進めることが肝要です。早めの着手と適切な分析が、特許取得とビジネス優位性の確保につながります。
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