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特許出願の対象となる発明|【初心者向け】特許出願の対象を正しく理解しよう

「このアイデアは特許になるのかな?」
新しい技術やアイデアを思いついたとき、多くの方が最初に気になるのが“特許出願の対象かどうか”という点です。特許出願は誰でも行えますが、出願してもすべての発明が特許になるわけではありません。本編では、特許出願の対象となる発明と対象外の発明、その違い、出願の重要性についてわかりやすく解説します。

1.特許出願の対象となる発明とは?

特許出願の対象となる発明は、新規性、進歩性、そして産業上の利用可能性を備えた技術的なアイデアです。
つまり、単なる思いつきではなく、実際に工業的・産業的な応用が可能な技術であることが条件として求められます。
例としては、次のような発明が挙げられます。

  • 新しい製品の製造方法
  • 機械や装置の構造
  • 化学的なプロセスや新素材の開発

ポイント: 発明は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」である必要があります(特許法第2条)。

2.特許出願の対象となるもの

特許出願の対象は、広範囲にわたる技術的なアイデアや発明で、主に以下の3つのカテゴリに分けられます。

(1)物に関する発明

新しい機械、装置、製品、またはその部品など、物理的な形を持つ発明です。
例:高性能バッテリー、軽量合金、自動車部品など。

(2)方法に関する発明

製造方法、処理方法、操作方法など、特定の結果を得るための手順に関する発明です。
例:効率的な製造プロセス、食品加工の新技術など。

(3)ソフトウェア

近年は、特定の技術的課題を解決するプログラムやアルゴリズムも特許の対象となる場合があります。
例:AIによる画像認識、データ圧縮技術、暗号化技術など。

3.特許出願の対象外となる発明

一方で、特許として認められない発明も存在します。以下のようなものは、特許法上の「発明」に該当しません。

(1)自然法則そのもの

重力や電磁気の法則など、自然そのものの仕組みは特許の対象外です。

(2)学術的な発見

「DNA構造の発見」や「新しい数学的定理」など、発見や理論自体は特許になりません。

(3)抽象的なアイデア

実際の技術的応用を伴わない「アイデア」や「コンセプト」は特許の対象外です。
例:「人々を幸せにする方法」などは技術的思想ではないため、特許にはなりません。

(4)医療行為

人体に直接施す治療や診断方法は、倫理的観点から特許の対象外です。

4.特許出願が必要な理由

特許出願を行う最大の理由は、発明を法的に保護し、他者による無断使用を防ぐことです。
特許権を取得することで得られるメリットには次のようなものがあります。

  • 発明を独占的に利用できる(独占排他権)
  • 他社へのライセンス提供で収益化できる
  • 技術力を証明し、企業の競争力を高められる
  • 投資家・取引先への信頼性が向上する

特許は単なる権利ではなく、ビジネスの成長を支える戦略的な資産となります。

5.特許出願をしないとどうなる?

もし特許出願を行わなかった場合、次のようなリスクが生じます。

  • 他者に先に同じ技術を出願され、自分の技術を使えなくなる可能性がある
  • 技術を模倣され、市場での競争優位性を失う
  • 発明の価値を適切に保護できず、経済的損失を被るリスクが高まる

注意点: 出願前に発明を公開してしまうと、新規性を失い特許が取れなくなる場合があります。
そのため、発明が固まった段階で早めに特許出願を検討することが重要です。

6.まとめ

特許出願の対象となるのは、新規性・進歩性・産業上の利用可能性を備えた技術的発明です。
逆に、自然法則や単なる発見・抽象的なアイデアは特許として認められません。
発明を思いついたら、まずはその内容が特許出願の対象に該当するかを確認し、早めに出願準備を進めることが成功への第一歩です。

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